振袖と着物の違いは?成人式ではなぜ振袖?他の着物との違いも解説
テレビで成人式のニュースが流れると、振袖姿の女性たちが大勢映し出されます。ところで振袖は着物とどう違うのでしょうか。
形は似ているのに、成人式に着るものだけを『振袖』と区別して呼ぶのはなぜなのか。気になったことがある方もいらっしゃるのでは?
この記事では振袖とはなにかを深掘りするとともに、種類や着用シーンを詳しく解説!たくさんある着物の種類もあわせて紹介しますので、興味がある方はぜひご覧くださいませ。
成人式は、大人の仲間入りをしたことを祝う大切な記念日です。一生の思い出に残る1日にしたいなら、やはり衣装もとっておきのものを選びたいですよね。
京都・東京のキモノショップ『和風館ICHI』では、個性豊かで誰ともかぶらないおしゃれな振袖のレンタルと販売を行っています。
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振袖と着物の違いは?
さて、振袖と着物の呼び方はなぜ区別されているのでしょうか?それぞれの違いと、振袖を着る場面について解説します。
着物は和服の総称!振袖は着物の一種
結論からいえば、振袖は着物の一種です。着物という大きなカテゴリがあり、その中の1種類として振袖が含まれています。
たとえるなら動物というカテゴリの中に犬、猫、うさぎ…といった多くの分類があるのと同じです。
振袖は成人式などの特別な日の晴れ着として着用
振袖は「ハレの日」に着用される衣装です。ハレの日とは“日常とは違う特別な日”のこと。成人式やお正月に着る和装を『晴れ着(はれぎ)』と呼ぶのは「ハレの日に着る衣装」であることに由来します。
なお、振袖は未婚女性のみが着られる晴れ着です。
ほかに既婚女性のみが着られる着物、既婚・未婚に関係なく着られる着物もありますので詳しくは後述します。
振袖の着用シーン別の種類
振袖にも種類があることをご存じでしょうか?振袖の種類別の特徴と、着用シーンをまとめました。
大振袖
袖丈が104~120cmある振袖を大振袖と呼びます。振袖の中で格式が最も高く、一般的な着用シーンは結婚式のお色直しです。
華やかな見た目から、近年は成人式に大振袖を選ぶ方も増えています。
通常の着方では袖丈がくるぶしあたりにきますが、結婚式ではあえて袖を引きずるように着付けをします。大振袖はほかに「本振袖」「引き振袖」「お引きずり」という呼ばれ方もしますが、後のふたつはこの着付け方に由来する名称です。
長い袖を引きずって歩く姿は、ウェディングドレスで長いベールを引きずる様子に通じるところがあります。その姿は妖艶で美しく、思わず見とれてしまうでしょう。
中振袖
袖丈100cm前後の振袖は中振袖と呼ばれます。成人式はもちろん、結婚式に参列する際の衣装や、お見合いに結納などさまざまなシーンで着られる振袖です。
着用シーンが多く身近な振袖なので、着物販売店やレンタルショップで扱われている色柄のバリエーションも豊富。
お正月の初詣や祝賀会などのお祝いの席でも気軽に着られるため、一張羅として1着持っておいてもよさそうですね。
小振袖
二尺袖(にしゃくそで)とも呼ばれ、袖丈は約76cmとやや控えめな振袖です。大学生の卒業式で袴と合わせて着られることが多く、中振袖と同じく結婚式に参列する際に着たり、お茶会や観劇に着たりと幅広い場面で着られます。
近頃は小学校の卒業式に着る衣装として選ばれることも多いです。中振袖を着るほどかしこまる必要はない、セミフォーマルな場に出かける際の衣装として選んでみてはいかがでしょうか?
振袖以外の着物の着用シーン別の種類
振袖は着物の一種と冒頭で解説しましたが、ほかにはどのような種類があるかご存じですか?
冠婚葬祭で見かけるものから季節のイベントで見かけるものまで、全部で9種類の着物をご紹介します!
1.黒留袖
既婚女性が着る着物のうち、もっとも格式が高い(第一礼装)のが黒留袖です。名前のとおり生地の色は黒で、裾に柄が入っており、背中と両肩の下、両袖の裏の5点に家紋が入っています。
結婚式に参列した際、新郎新婦の母親が黒留袖を着ているのを見たことがある方は多いでしょう。ほかには子どもの結納や、孫のお宮参りに着用されることもあります。
2.色留袖
色留袖は黒以外の色の留袖で、黒留袖と同じく裾だけに柄が入っています。既婚・未婚に関係なく着られる着物です。
紋の数で格式が異なり、前述した5つ紋であれば第一礼装として着られます。3つ紋なら準礼装、1つ紋なら略礼装と格が下がっていくので、着用シーンにあわせて最適なものを選びましょう。
第一礼装の色留袖であれば、黒留袖と同じく新郎新婦の母親が着て問題ありません。親戚の結婚披露宴やパーティーで着る場合は、3つ紋もしくは1つ紋の色留袖を選んでください。
3.訪問着
格式としては準礼装にあたり、フォーマルな場面で着られる着物が訪問着です。既婚・未婚に関わらず着用してかまいません。
訪問着の柄は「絵羽模様(えばもよう)」と呼ばれ、広げると1枚の絵になっているのが特徴です。
結婚式にゲストとして呼ばれたとき、子どものお宮参りや七五三、入学式に卒業式、そしてパーティーや祝賀会などさまざまなシーンで着ることができます。
4.付け下げ
訪問着より柄が少なく、よりカジュアルに着られるのが付け下げです。付け下げが生まれたのは戦時中のこと。
「贅沢は敵」という風潮の中で華やかな訪問着が禁止され、「控えめな柄の着物を」と考案されたのが付け下げでした。
お世話になった人の家に訪問するとき、お茶会やクラス会に参加するときなど、幅広い場面で着られる着物です。
5.色無地
色無地はその名のとおり、柄のない一色染めの着物のこと。色無地の格は、布にあしらわれた「地紋(じもん)」の有無で決まります。
地紋とは、着物を織るときの糸の織り方によって生み出される模様です。生地全体に入った模様は角度によってうっすら見ることができ、控えめな美しさを演出してくれます。
くわえて、5つ紋や3つ紋が入った色無地は訪問着と同様の着こなしができ、結婚披露宴やパーティーに着用可能です。
紋なしの色無地は普段着として着ることができるので、日常的に着物を着たい人にもおすすめの着物だといえるでしょう。
6.小紋
小紋(こもん)と呼ばれる着物の特徴は、同じ柄が生地全体に描かれていることです。フォーマルな場に着用するものではなく、日常使いできるおしゃれ着として扱われています。
同窓会や友達との食事会のほか、ちょっとしたお出かけにも着られて便利なので持っておくと重宝するでしょう。
気軽に着られる着物ですので、季節ごとに柄の違う小紋を着こなすなど、洋服を着るような感覚でコーディネイトを楽しんでみてはいかがでしょうか?
7.紬
紬(つむぎ)も、小紋と同じく日常使いできる着物です。紬とは染めた絹糸を使って織る着物のことで、生地には絹ならではの光沢があり、とても丈夫であるという特徴があります。
紬の産地は全国各地にあり、中でも「日本三大紬」と呼ばれるのは以下3つです。
・大島紬(鹿児島県)
・牛首紬(石川県)
・結城紬(茨城県)
これらの紬はどれも昔ながらの伝統技法で作られたものばかりで、古くから愛され続けてきたものばかり。
着物のデザインとしては控えめで、落ち着いた印象のものが多いですが、大人っぽく上品に着こなしたい方にはとてもおすすめですよ。
8.浴衣
浴衣といえば夏祭りや花火大会の定番衣装ですよね。お祭りの季節が近づくと、ショッピングモールや百貨店に浴衣の特設コーナーが設けられることも。
生地は薄く、通気性に優れるため、夏に着てものぼせにくいのが特徴です。また、着物を着付ける際にはまず長襦袢と呼ばれる和装用の肌着を身に着けますが、浴衣は肌の上に直接着ます。
草履ではなく下駄を履くのも、着物と浴衣で異なるポイントでしょう。
浴衣の着用シーンは前述のとおりごくごく限られ、夏以外の季節に着ることはほぼありません。お手頃な価格で手に入れられるもっとも身近な着物ですので、帯や小物、下駄とのコーディネイトを楽しんでみてはいかがでしょうか。
9.黒喪服
お葬式など弔事に着る着物で、黒紋付の着物をはじめ帯と帯締め、帯揚げに草履まですべて黒に統一した装いです。5つ紋が入った黒喪服は弔事における第一礼装で、喪主や故人の親族が着用します。
なお、葬儀告別式では喪主より格上の喪服を着るのはNG。そして洋装より和装のほうが格式は上とされています。
喪主や故人の親族が洋装の場合、和装で参列するのはマナー違反になってしまうため、弔問客は洋装の喪服を選ぶのが無難です。
振袖と着物の選び方
振袖や着物は着る機会が多くないため、自分に似合うとびっきりの1着を選びたいですよね。呉服店や着物ショップで実際に試着をしながら選ぶ方法もありますが、足を運ぶのが大変な人もいらっしゃるでしょう。
ここではパーソナルカラーや体型から似合う振袖や着物を選ぶ方法を解説!なりたいイメージから着物を選ぶ方法もまとめました。
パーソナルカラーから選ぶ
自分の肌や目の色に合う着物を選ぶと、顔色がパッと明るく艶やかに見える上に、着物もより美しく見せることができます。
ここでポイントになるのが自分のパーソナルカラーを知ること。パーソナルカラーとはその人の肌や瞳、唇の色と調和する色のことで、簡単にいうと「似合う色」です。
肌の色味や日焼けしたときの肌の特徴、似合う口紅やアクセサリーの色・質感などから導き出す4つのグループに分類されます。
成人式をはじめ、着物を着るのは特別な日が多いですよね。その特別な日にとびっきり似合う着物を着られるよう、一度プロが提供するパーソナルカラー診断を受けてみてはいかがでしょうか?
イエベorブルベ?成人式の振袖はパーソナルカラー診断で似合う1着を選ぼう
体型から選ぶ
身長が高い・低い、ぽっちゃり体型・スリム体型など、体型別に似合う着物の傾向もあります。以下の表に4つのタイプの体型とそれぞれに似合う着物の特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください!
体型のタイプ | 似合う着物のキーワード |
---|---|
身長高め | 濃色、くっきりした色、大きめの柄、縦のラインを描く柄 |
身長低め | パステルカラー、淡い色、小さめの柄、余白があるデザイン |
ぽっちゃり体型 | 濃色、コントラスト強め、シンプル、縦のラインを描く柄 |
スリム体型 | 暖色、ピンク系、淡い色、ふんわりした柄、華やかな総柄 |
なりたいイメージから選ぶ
自分が着物を着る姿を想像しながら、なりたいイメージが叶うコーデを組み立てる方法もあります。
着物の色柄は種類が非常に多いため、呉服店や着物ショップまで足を運んで見比べても目移りしてしまうもの。着たい着物のテイストをあらかじめ決めておけば、選ぶ色柄の傾向を絞ることができますよ。
以下の表には、コーデのテイストから考える着物の色柄選びのポイントをまとめました!
なりたいイメージ | 選ぶ着物のキーワード |
---|---|
古典・定番 | 赤、牡丹・菊など花柄、鶴・亀・鳳凰や松竹梅など縁起物 |
レトロモダン | コントラスト強め、大きめの柄、個性的な柄、ポップ |
シンプル | 余白があるデザイン、無地、生地と同系色の控えめな柄 |
ガーリー系 | ピンク系、白系、パステルカラー、花柄 |
大人っぽい系 | 深みのある色、モノクロ、くすみカラー、シンプルな柄 |
ゴージャス系 | 黒、濃い色、グラデーション、金の刺繍、大胆な柄、総柄 |
まとめ│シーンに合わせた着物&振袖の着こなしで和服美人の仲間入り♪
着物とは和服の総称であり、振袖も着物の一種です。中でも、年間行事のお祝い事などに着る着物は『晴れ着』と呼ばれ、成人式という特別な日の衣装である振袖ももちろん晴れ着に含まれます。
なお、振袖には袖丈の違いで以下の3種類に分かれます。
袖丈 | 着用シーン | ほかの呼び方 | |
---|---|---|---|
大振袖 | 104~120cm | 結婚式のお色直し | 本振袖、引き振袖、お引きずり |
中振袖 | 100cm前後 | 成人式、結婚式の参列時、お見合い、結納など | |
小振袖 | 約76cm | 結婚式の参列時、お茶会、観劇のほか、袴と合わせて卒業式にも | 二尺袖 |
振袖以外に日常でよく見かける着物は以下の9種類です。
・黒留袖
・色留袖
・訪問着
・付け下げ
・色無地
・小紋
・紬
・浴衣
・黒喪服
着物は種類が多く、TPOに合わせた着こなしが求められるため、着慣れないうちは戸惑ってしまうかもしれません。
しかし、色鮮やかな着物に袖を通す瞬間はいつでもワクワクするもの。特別な日やちょっと背伸びをしたい日の衣装に、ぜひ着物を選んでみてくださいね♪
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