振袖と晴れ着の違いは?着物の種類を解説
日本の伝統衣装である着物ですが、同じ着物でも成人式に女性が着るものは振袖と呼ばれますよね。
そのほか、お正月などのおめでたい日に着る着物が『晴れ着』と呼ばれているのも聞いたことがあるかもしれません。
この記事では振袖と晴れ着の違いを解説しながら、たくさんある着物の種類をひとつひとつ紹介します。
振袖を着られる機会はそう多くはありません。中でも成人式は一生に一度しか経験できないため、とっておきの振袖を着たいですよね。
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着物と振袖は同じ?晴れ着との違いは?
まずは『着物』という言葉の意味を解説するとともに、振袖や晴れ着との違いをまとめます。
着物の種類に振袖が含まれる
着物とは和服全般をさす言葉であり、振袖は着物の一種です。そのため振袖を着物と呼んでも間違いではありません。
着物の種類はほかにもたくさんあるので詳しくは後述します。
晴れ着の中に振袖が含まれる
晴れ着は『ハレの日』に着る衣服のことです。お祝いの日の衣装といえばイメージしやすいでしょうか。
日本の1年には、ほかにお正月や七五三、入学式・卒業式などたくさんのハレの日があります。成人式もハレの日であり、その衣装である振袖は晴れ着の一種となるわけです。
晴れ着に似た春着とは?
晴れ着と似た言葉に『春着(はるぎ)』がありますが、意味は以下のとおりです。
①旧暦のお正月(新暦の春)に女性や子どもが着る晴れ着
②春に着る衣服
①の意味でいう春着は俳句で新年を表す季語でもあり、古くからある言葉です。②は春服と同義であり、特に着物のことを表す言葉ではありません。
振袖などの晴れ着の歴史
振袖の原型である『振り八つ口(ふりやつぐち)』は江戸時代に生まれたとされ、当時は子ども用の小袖として使われていました。
ちなみに小袖とは着物と同じような形状の衣服で、袖の幅と丈がやや短くつくられたものです。
そこから時代が進み江戸時代の中頃になると、振袖は女性の正装として着られるようになりました。
また袖丈も少しずつ伸びていき、江戸時代が終わるころには現代の振袖と変わらない長さになったといいます。
振袖、黒留袖、訪問着、浴衣など数ある着物の種類はどれぐらいある?
着物の種類はたくさんあると前述しましたが、具体的に何種類あるかご存じですか?続いては種類別の名称と、各着物の特徴を解説します。
白無垢・打掛
白無垢は和婚の衣装の定番で、白打掛とも呼ばれます。生地の表裏から刺繍まですべて白に統一された衣装で、正確には着物ではなく羽織物です。
和服の花嫁衣装の上から身につけます。
なお、打掛のうち白以外の生地でできたものは『色打掛』と区別されることも覚えておいてくださいね。
振袖
『振り』と呼ばれる長い袖が特徴の着物です。振袖は種類によって袖の長さが異なり、くるぶしのあたりまであるものを大振袖、ふくらはぎまでなら中振袖、太ももまでのものは小振袖といいます。
振袖は未婚女性の第一礼装です。成人式の衣装として真っ先に思い浮かべる方が多いと思いますが、ほかのお祝いのシーンでも着ることができます。
黒留袖
黒留袖は生地の色が黒く、帯より下のみに絵羽模様(着物を広げると1枚の絵になる柄)が入った着物です。
背中の上あたり、両胸、そして左右の袖の裏にひとつずつ、計5つの紋が入っています。
既婚女性の第一礼装で、日常生活で見る機会はほとんどありません。結婚式を挙げる新郎新婦の親族が着ている場面なら見たことがあるのではないでしょうか。
色留袖
生地が黒ではない留袖のことで、柄の入り方は黒留袖と同様です。黒留袖は既婚女性のみ着られるものですが、色留袖は婚姻状態を問わず着てかまいません。
色留袖は紋の数により格が異なります。5つなら黒留袖と同じ第一礼装、3つなら準礼装、ひとつなら略礼装として着ることが可能です。
訪問着
着物全体に絵羽模様が描かれており、見た目がとても華やかな着物です。濃い色を選べばシックに、淡い色を選べば上品に着こなせるため何着か持っておくと重宝します。
格式は黒留袖や五つ紋の色留袖に次ぐ準礼装で、さまざまなお祝いの席やハレの日の行事に着ていくことができる汎用性の高さが特徴です。
付け下げ
付け下げと訪問着は柄の入り方で見分けることが可能です。付け下げは前側の左胸と袖、後ろ側の右袖の裏、そして表裏の裏帯より下に柄が描かれています。
ひとつひとつの柄はつながっておらず、独立した柄が点々と入っているのが特徴です。格式は訪問着より下の略礼装になります。
色無地
黒以外の生地の色で、柄は入っていません。地紋(じもん:着物を織ったときに入る糸の織り模様)の有無と、紋の数で格式が変わります。
3つや5つの紋が入っている色無地であれば準礼装として着られるため、訪問着と同じように着てかまいません。上品で控えめな印象の着物なので、大人っぽく和服を着こなしたいときにぴったりです。
小紋
着物の生地全体にパターン柄が入っている着物です。洋服でたとえるならチェック柄や水玉柄のシャツといえばイメージしやすいでしょうか?
格式が高い着物ではなく、普段着として着るのに適した着物です。古都観光や友人との食事にお茶、観劇など、ちょっとおしゃれをして出掛けたいときに着てみましょう。
紬
着物はつくり方によって『染め』と『織り』に分けられます。染めは生地を織ってから柄を描く着物のこと。織りは糸の段階で染色し、その糸を織ってつくる着物のことです。
紬は織りの着物であり、あらかじめ染めた絹糸を織ってつくられます。折り重なる糸によって描かれる柄は非常に繊細で美しく、絹ならではの光沢もあるため上品な着こなしが叶うのが特徴です。
浴衣
夏祭りの時期によく見かける浴衣も着物に含まれます。ほかの着物は下に肌襦袢や長襦袢などの和装肌着を着てから着付けをしますが、浴衣は肌の上に直接着るのが特徴です。
帯の結び方で華やかにも可愛らしくも着こなせるため、小さな子どもから大人まで幅広い年齢層の方が着用できます。
お召し
『お召縮緬(おめしちりめん)』の略で、最高級の織りの着物をいいます。特徴は生地の表面にシボと呼ばれる細かいデコボコがあること。
シボができる理由はお召しの生地の仕立て方にありますので、以下で紹介します。
1.生地を織る糸には撚り(ねり)というねじりを加える。
2.ねじった糸で生地を織るための下準備として、糸を糊で固める。
3.生地を織り、お湯で糊を落とす。
この3の工程で糊が落ちることでシボができます。無地で紋がついたものや、地紋が入ったお召しはコーディネイト次第で略礼装として着ることも可能です。
黒紋付
黒い無地の生地に五つ紋が入った着物です。未婚・既婚に関わらず着られます。金色の帯を合わせて華やかに着付けをすればお祝いの席にも着られますが、近年は「黒紋付=喪服」のイメージが定着しています。
喪服
喪服とは着物の種類をさす言葉ではなく、お葬式や告別式に着る黒紋付を用いた装いをさします。
長襦袢と足袋のみ白で、それ以外の黒紋付に帯、帯締めや草履などの小物はすべて黒でそろえるのが喪服のスタイルです。
この装いは喪服の第一礼装であり、喪服の中ではもっとも格式が高くなります。
葬儀告別式に故人の友人や知人として参列する場合、喪主や親族より格上の喪服を着てはいけないというマナーがあるため要注意です。
故人の親族が黒紋付を着る場合は略礼装にあたる暗い色の色無地を、洋装の喪服を着る場合は参列者も洋装を選びましょう。故人の服装が分からなければ、洋装を選ぶのが安全です。
シーンで選ぶ着物・晴れ着の種類
着物の種類があまりにも多いため、「どの着物をいつ着ればいいの!?」と混乱した方もいらっしゃるかもしれません。
続いては着物がよく着られるシチュエーション別に、適した着物の種類を解説します!
一生に一度の成人式
成人式を迎える女性の定番衣装といえば振袖です。成人式当日、式を執り行う会場には色鮮やかな振袖をまとった女性たちが集まります。
華やかな光景は毎年ニュースでも取り上げられていますよね。
なお、振袖は未婚女性の第一礼装ですが、成人式にかぎっては結婚していても振袖を着てOKです。
懐かしい学生時代の友達と久々に会える機会でもありますので、とっておきの一着を着こなしてくださいね♪
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毎年文化を感じたいお正月や初詣
お正月は新しい1年が始まって最初に訪れるお祝い行事です。お正月には親戚が集まったり初詣に出かけたりと、日常とは違う特別なことがたくさん起こります。
新年をお祝いする場には晴れ着がぴったりです。女性で未婚なら振袖を、既婚なら小紋か訪問着を着て初詣に出かけてみませんか?
着物は神社の風景にもよく合うので、新年早々縁起のいい記念写真が撮れそうですよ。
結婚式・子どもの七五三などのハレの日
結婚式に参列する場合に適した着物は、新郎新婦との関係性により異なります。以下の表にまとめましたので参考にしてください。
母親 | 黒留袖 |
祖母・叔母 | 黒留袖/色留袖 |
姉妹 | (既婚)色留袖/訪問着 (未婚)振袖 |
その他親族 | 訪問着 |
友人・同僚 | 訪問着 |
着物を選ぶ際に避けるべき色は以下のとおりです。
・白、白っぽい色:ウエディングドレスや白無垢とかぶるため
・黒:親族の黒留袖とかぶるため
・赤、金など派手な色:花嫁より目立ってしまう可能性がある
結婚式以外にも日本の1年には何度もハレの日が訪れます。
子どものお宮参りに七五三、入学式・卒業式などに出席する母親が着物を着る際には、準礼装~略礼装にあたる訪問着や色無地、付け下げを選びましょう。
これらの行事の主役は子どもですので、着物の色は控えめな淡い色にしてくださいね。
同窓会などのカジュアルなパーティー
カジュアルな場にフォーマルな着物を着ていくと浮いてしまう可能性が高いです。同窓会に着物を着ていきたいときは、まず会場を調べましょう。
ホテルで開かれる同窓会なら、訪問着に色無地、付け下げなら格が合います。居酒屋など賑やかな雰囲気の場所で行われるのであれば、礼装ではなくおしゃれ着にあたる小紋や紬がぴったりですよ!
振袖を含む晴れ着に合わせたい帯の種類
着物の格は合わせる帯によっても変わります。ここでは振袖を含む晴れ着に合う2種類の帯の特徴をまとめました!
袋帯
2枚の生地からなる帯で、表地と裏地の布が筒状に縫い合わされています。誕生したのは昭和時代の始め頃です。
表と裏に色柄の違う布が用いられ、リバーシブルで使える袋帯もあります。
袋帯の中でも金や銀の刺繍が入ったものは格上です。振袖や色留袖、訪問着の着付けには格の高い袋帯が適しています。
丸帯
1枚の布を半分に折って縫い合わせているのが丸帯の特徴です。歴史はぐっと古くなり、江戸時代の中頃に生まれたとされています。
当時は帯の中でもっとも格が高く、袋帯が登場するまでは第一礼装に用いる帯として扱われていました。
伝統ある帯ですが、重くて巻きにくいという理由から使われる機会は減っています。現代では花嫁衣装や黒留袖の着付けに用いられるのを見かけるくらいでしょう。
少し扱いにくさはありますが、古き良き日本の伝統を象徴する帯でもあるため振袖に巻いてもかまいませんよ。
振袖を含む晴れ着に合わせたい帯の結び方
人生に一度の成人式にとびっきりの振袖を身につけるなら、帯もゴージャスに結んでより華やかにしたいですよね。最後に振袖に合う帯の結び方を紹介します!
文庫結び
帯の上に蝶々結びのリボンが乗ったような見た目が可愛らしい文庫結びは、振袖の帯の結び方としては定番です。
愛らしい印象になりますが、袋帯や丸帯でつくる文庫結びは格式の高い結び方であり成人式の場によく合います。
文庫結びの名前は、昔の日本で本や手紙の保管に使われていた『手文庫(てぶんこ)』という箱に由来します。
手文庫のフタは紐を結んで固定していたそうですが、その結び方が蝶々結びだったことから文庫結びの名称がついたのだとか。
文庫結びはアレンジの幅が広いのも特徴です。リボンの長さを左右非対称にしてアシンメトリーにしたり、通常は左右に1枚ずつ広がるリボン部分を4枚にしたりと、工夫次第で周囲の目を引く結び方ができますよ。
ふくら雀結び
ふくら雀結びは、振袖を大人っぽく着こなしたい方に向いています。文庫結びと同じく帯の両端にリボン結びができるのは同じですが、その下にお太鼓(帯を太鼓のように膨らませる結び方)をつくるのが特徴です。
ふくら雀結びの名前は、お太鼓部分がふっくらと体を膨らませた雀の体に、リボン結びが翼に見えることに由来します。
お太鼓をつくる帯の締め方は江戸時代に始まり、現代でもポピュラーな結び方です。振袖を華やかに着こなしつつ、伝統的な要素もプラスできますよ。
まとめ│振袖や晴れ着などTPOに合わせた着物をお探しなら和風館ICHIへお越しください
着物は和服の総称であり、晴れ着は着物の中でもハレの日に着る衣装全般をさします。振袖は晴れ着の一種で、未婚女性の第一礼装であると同時に成人式の定番衣装です。
振袖の原型は江戸時代に生まれましたが、当時は子ども用の着物として扱われていました。そこから時代の流れとともに袖が伸び、女性の礼装として着られるようになった末、現代ではとても格式の高い着物になったわけです。
着物の種類はとても多く、TPOに応じた着こなしが重要になります。
お祝いの場に着物の格が合っていたとしても、一部のシーンでは以下のようなマナーがあることも頭に入れておきましょう。
・結婚式に参列する場合に白や黒はNG
・主役より目立つ色柄の着物は控えるべき
振袖や晴れ着に合わせる帯は、袋帯か丸帯が最適です。一般的には袋帯がよく選ばれますが、日本に古くからあるものを取り入れたいのなら丸帯を選んでもかまいません。
帯の結び方は文庫結び、ふくら雀結びが合いますが、アレンジして個性を出しても楽しいですよ♪
振袖は、成人式を例外として未婚のうちしか着られません。それなら着られるうちにたくさん着ておきたいですよね!
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