袴と着物の違いは?成人式の振袖を卒業式の袴に使える?

大学や短大、専門学校の卒業式に袴を着る女性は多いですよね。結婚式をはじめとした冠婚葬祭では男性が袴を着ることが多いため、「袴=男性が着るもの」というイメージを強く持っている人も多いかもしれません。

この記事では女性の衣装としての袴に焦点にあて、着用シーンやほかの着物との違い、卒業式で袴を着る理由を解説します。これから卒業式を迎える人に参考にしていただきたい、振袖と袴のコーディネイト例もまとめました!

京都と東京に店舗を構えるキモノショップの『和風館ICHI』では、卒業式袴のレンタルを行っています。
成人式やお見合い、結納の場で着ていただきたいおしゃれな振袖も豊富に取り扱っていますので、ぜひ一度当店のキモノのラインナップをご覧くださいませ♪

袴も振袖もおしゃれにキメたい!個性的なキモノをお探しなら『和風館ICHI』へ

袴と着物の違いは?

袴といえば和の衣装ですが、着物とはどう違うのでしょうか?「そもそも着物ってなに?」という疑問にお答えしつつ、袴とほかの着物の違いをまとめました!

着物は和服の総称!袴も着物の仲間

着物とは「和の衣装全般」を表す言葉です。袴も和装の一種なので、着物の種類のひとつになります。

着物は日本の伝統衣装であり、現在の着物の原型となる『小袖(こそで)』という衣装が庶民の間で広まったのは平安時代のころ。
歴史もののドラマや漫画で、貴族の女性が十二単(じゅうにひとえ)を着ているのを見たことはありませんか?十二単が登場したのも平安時代で、こちらは公家の成人女性の正装として着用されていました。

その後、明治時代には文明開化により日本へ西洋文化が入り、大正時代には着物を着る人は徐々に減少傾向に。現代では「着物=ハレの日に着る特別な衣装」として扱われています。

袴とは?

袴とは着物の上から履くもので、洋服でいうところのズボンやスカートなどのボトムスにあたります。
ふくらはぎあたりに着物の裾がくるように短く着付け、その上から袴を履くことにより、着物姿よりも足さばきがよくなるのが特徴です。

袴の原型は、なんと古墳時代に生まれたとされています。平安時代の日本で着物の原型が生まれ、現代の形に変わっていったように、袴も歴史ごとにさまざまな形が生まれてきました。

明治時代に生まれた『行燈袴(あんどんばかま)』はスカートと同じ形状をしており、現代も卒業式で着用されています。
その昔、武士が履いていた袴は『馬乗袴(うまのりばかま)』と呼ばれ、両足の間に仕切りがあるズボンと同じ形状です。このタイプの袴は、現代では剣道をはじめとした武道の道着や、神社にいる巫女さんの衣装として残っています。

卒業式という大きな節目の日には袴がぴったり!古きよき日本の伝統衣装に身を包めば身も心もピシッと引き締まりそうですよね。

レトロモダンで可愛い卒業式袴をお探しなら、和風館ICHIのレンタル袴のラインナップをぜひご覧ください♪着付けに必要な小物一式と一緒にお貸出しいたしますので、安心して卒業式当日を迎えていただけます。

誰ともかぶらないおしゃれなコーデが自由自在♪卒業式袴のレンタルは『和風館ICHI』で

その他の振袖や浴衣・留袖・訪問着との違いは?

さて、着物が和装の総称であることは前述しましたが、ほかの着物の特徴や着用シーンはご存じですか?ここでは身近な着物についてまとめました!

振袖

振袖は女性の成人式の定番衣装であり、未婚女性の第一礼装です。袖の長さ別に大振袖、中振袖、小振袖という種類があり、袖がもっとも長い大振袖がもっとも格上になります。

振袖といえば成人式を思い浮かべる人も多いのでは?
ほかにもお見合いや結納、結婚式、格式の高いパーティーやお正月の初詣など、さまざまなシーンで着用できます。

和風館ICHIで振袖レンタル・購入はこちらから

留袖

既婚女性の第一礼装であり、生地が黒いものは黒留袖、ほかの色のものは色留袖と呼ばれます。
一般的な着用シーンは子どもの結婚式や披露宴です。結婚披露宴に参列したことがある方なら、新郎新婦の母親が留袖を着ているのも見たことがあるでしょう。

ほかにもお宮参りや七五三に、父方の祖母(主役の子どもから見たおばあちゃん)が留袖を着ることも。しかし、現代ではフォーマルワンピースやアンサンブルなどの洋装が選ばれるケースも多く、留袖で参加する方は少なめです。

訪問着

訪問着は既婚・未婚に関係なく着られる和服で、格式としては準礼装にあたります。子どものお宮参りや七五三、入学式・卒業式のほか、友人や親族の結婚式に参列するときなどさまざまなシチュエーションで使える着物です。

色留袖との違いは柄の入り方で、訪問着は帯をはさんで上半身から下半身まで柄が入っています。対して色留袖の柄は下半身のみ。
パッと見たときの印象は訪問着のほうが華やかですので、「華やかな席には訪問着、厳かで堅い席には色留袖」と区別すると覚えやすいでしょう。

浴衣

浴衣は夏祭りや花火大会の定番衣装で、着物の中ではもっとも格下。現代の浴衣は、夏のイベントで着るほかには旅館の寝間着として提供されることがある程度で、非日常感が強い衣装です。

平安時代に生まれた浴衣の当時の用途は「入浴のときに着る服」でした。その後に裸で入浴する文化が広まると、浴衣はお風呂上りや寝るときに着られるように。
銭湯の帰りに浴衣を着て家まで帰る人が増えるのにつれ、浴衣を普段着として着る人も増えていったといわれています。

浴衣の購入・販売商品を見る

卒業式で袴を着るのはなぜ?

現代の日本において、女性が袴を履く機会は卒業式くらいのもの。弓道や剣道を習っている人なら道着として袴を履くこともあるでしょうが、身近な存在ではありません。

冒頭で「袴といえば男性の衣装」というイメージについて触れましたが、実際、袴は男性の第一礼装(もっとも格式が高い衣装)です。女性にとっての袴は礼装にあたらず、冠婚葬祭で着る衣装として適しません。

それではなぜ、女性の卒業式の定番衣装は袴なのか。その理由は明治時代にあり、当時の女学生たちの制服が袴だったため。

明治時代のころは女学校へ進学する女性は少なく、多くの女性たちにとって女学生は憧れの存在でした。
このころに「袴=学ぶ女性の象徴」というイメージが根づいたことにより、女性の卒業式の衣装として袴が定着したわけです。

成人式に着た振袖を卒業式に組み合わせてもOK?

前述したとおり袴は現代におけるボトムスと同じもので、下半身に着る和服です。よって上半身には着物を合わせる必要があります。
合わせる着物は留袖以外ならなんでもOK。一般的に多いのは、袖の長さが約76cmの小振袖と合わせるコーデですが、中振袖と合わせても問題はありません。

ただし大振袖を合わせるのは避けましょう。先ほど振袖は袖丈が長いほど格式が高くなると解説したとおりで、大振袖は卒業式に着るには少し格が高すぎます。
着物はTPOに応じて着こなしてこそ美しさが引き立つため、卒業式という場に合うコーデを心がけてくださいね。

振袖と組み合わせの袴コーデ

最後に卒業式袴のコーディネイトのポイントと注意点をまとめました。小振袖、中振袖と合わせる際の色柄選びのコツと、小物の選び方も解説します。

小振袖+袴

小振袖は振袖の中では袖丈が一番短いため、華やかでありながら軽やかな雰囲気を演出できます。
袴と合わせる振袖の主流であるため、レンタルや購入をする際に選べる色柄のバリエーションが豊富になりやすいのもメリット。
古典柄から現代的な柄、個性的なレトロモダン柄まで、たくさんの色柄の小振袖からお気に入りの1着を見つけられるため、卒業式にとっておきの衣装を着たい方にもおすすめです。

パステルカラーや中間色で、細かい柄が散りばめられたものを選ぶとふんわりと柔らかい印象になります。大きな柄や原色の小振袖を選べば、若々しくも大胆なイメージを与えることができるでしょう。

小振袖と袴をそれぞれ反対色で選べば、コントラストがはっきりしたパッと目を引くコーデに。以下は反対色の一例ですので、コーデの参考にしてみてください。

・赤紫と緑
・赤と青緑
・青と橙
・黄と青紫
・紫と黄緑

あえて同系色にするとシンプルで上品なコーデが叶います。淡い黄と橙、水色と紺、ベージュと茶色など色の濃淡だけ変えて小振袖と袴を合わせれば、落ち着いた大人っぽい着こなしになるでしょう。

和風館ICHIで取り扱っている卒業式袴のレンタルは、小振袖+袴の組み合わせになっています。
コーデに迷ったときは、気になる振袖と袴を選ぶだけでコーデを作れる「袴レンタルシミュレーター」をご活用くださいませ♪

二尺袖(小振袖)×袴×帯を自由に組み合わせ!袴レンタルシミュレーターはこちら

中振袖+袴

中振袖の袖丈は100cm前後。成人式では中振袖を着るのが一般的ですので、成人式の振袖を卒業式にも着まわしたい場合はおのずと中振袖と袴のコーデを考えることになります。

中振袖と袴のコーデの特徴は、なんといってもその豪華さです。袖一面に花柄や縁起物の刺繍がされている中振袖はとてもゴージャスで、周囲の視線を釘付けにすること間違いなし!
そもそも中振袖+袴のコーデで卒業式に出席する人がそう多くありませんので、目立つ存在になるでしょう。

なお、中振袖の袖丈は足首あたりまであります。卒業式では椅子から立ち座りする動作を何度も繰り返すのにくわえて、式のあとは同級生と記念写真撮影をしたり、教授に挨拶へ行ったりと移動が多くなりがち。
袖を引っ掛けたりつまずいたりしないように注意しましょう。

卒業式の袴に合わせたい小物は?

卒業式袴のコーデをより華やかにしてくれる小物といえば、髪飾りやバッグです。足元を草履にするかブーツにするかによっても袴の印象は大きく変わります。

【図解】袴を着るときに必要な小物とは?~着用前のチェックシート

髪飾り

まずは髪飾りの一例と、それぞれが与えるイメージを以下の表にまとめました。

髪飾りのモチーフ 与える印象
大きな一輪の花 ゴージャス、華やか
たくさんの小花 あどけない、可愛い
パール 清楚、上品、高級感
水引・組紐 伝統的、洗練
リボン・レース フェミニン、ガーリー

ここ数年は水引や組紐をあしらった髪飾りがとても流行っています。これらは日本の伝統技法により作られるもので、振袖とは相性抜群。
全身に日本文化を取り入れたコーデをしたい人には特におすすめの髪飾りです。

バッグ

バッグは素材より色を重視して選びましょう。振袖か袴と同系色のものを選べば、コーデに自然と溶け込みます。

卒業式当日用に布やレザー、エナメルの和装バッグを購入してもよいですが、普段使いできる小さめのショルダーバッグでも違和感はありません。卒業式袴の色柄に合うデザインなら、成人式で使ったバッグを流用するのもよいでしょう。

草履・ブーツ

「これぞ古きよき日本の和美人!」という袴の着こなしをしたいなら、足元は草履がおすすめです。やや歩きにくいですが、それにより足さばきが細かくなることで上品に見えるというメリットもあります。

ブーツはレトロモダンなコーデを目指すときにぴったり。歩きやすく、またヒールがあるため足も長く見えるため、袴をスタイリッシュに着こなしたいときはブーツを選ぶとよいでしょう。
また、草履だとどうしても足元が冷えやすいですが、ブーツなら防寒もばっちり。卒業式シーズンは気温が低い日も多いため、寒さ対策を徹底したいならブーツを選択しましょう♪

まとめ│長い歴史のある日本の伝統衣装「袴」でとっておきの卒業式を♪

袴は古墳時代に、着物は平安時代に原型が生まれた深い歴史のある日本の伝統衣装です。しかし、袴を着る機会はそう多くなく、現代では卒業式くらい。
この数少ないチャンスに一生忘れない思い出を残すためにも、とっておきの衣装を選びたいですよね。

卒業式にはともに学んだ友人たちとたくさんの記念写真を撮る可能性も高いため、おしゃれをして当日を迎えましょう!
袴と合わせる振袖の定番は小振袖ですが、成人式で使った中振袖と組み合わせてもOKです。なりたいイメージを想像しながら、それが叶う色柄選び・小物選びをしてみてください。

「袴を履くのは卒業式くらい…できるだけ価格を抑えておしゃれなコーデを楽しみたい」
「成人式で着たのとは別の振袖を着てみたい!」
という方にはレンタルがおすすめ♪『和風館ICHI』では卒業式袴や振袖のレンタルを行っています。

当店の振袖は古典からレトロモダン、シンプルにガーリーまでデザインが豊富!卒業式というハレの日を彩る衣装をお探しなら、ぜひ当店の袴・振袖レンタルをご利用くださいませ。

袴も振袖もおしゃれにキメたい!個性的なキモノをお探しなら『和風館ICHI』へ